栃木県県立高校特色選抜入試が変わる?!

特色選抜入試

2023年3月2日に栃木県教育委員会のHPに『県立高等学校入学者選抜制度改善検討委員会からの報告について』という記事がアップされていました。

制度改善委員会?

私もよくわかりませんが

とにかく、県立高校の在り方を

検討している会議があるようです。

そこには、こう書いてありました。

今後は、今回の報告書を受け、県教育委員会において新たな入学者選抜制度の改善について検討する予定です。また、入学者選抜制度を変更する場合は、受検者への周知期間を十分に取る必要があり、制度の変更を公表してから一定の年数を経過したのちに実施します。

教育員会HPより

要するに、来年度、再来年度で変わることではなさそうです。

現行の栃木県県立高校入学者選抜について

まずは、今の栃木県県立高等学校入学者選抜についてです。

このブログでは、高校入試について

様々アップしてきましたが

再確認していきましょう!

平成26年度に栃木県は、学校推薦から自己推薦へ移行しました。

自己推薦なので、出願は希望制です。受けたいと思う方が誰でも受験はできます。

これは、教育員会のねらいがあり

中学生が、高等学校・学科の特色や募集する生徒像等について自ら調べ、自分の進路について十分に考え、志望校を主体的に選択することをねらいとしています。高等学校入学後に生徒一人一人が自己実現に向けて個性や能力を伸ばせるよう、各高等学校は「特色ある学校づくり」を一層推進します。

栃木県教育員会HPより

と、いうところで、導入されました。

しかし、どうでしょう。

学校は中学生にこのねらいをしっかりと把握させ、そして調べるということに時間を費やしているでしょうか。

生徒A
生徒A

作文と、面接だけなんでしょ!

特色やってみたい!

生徒B
生徒B

2月に入試が終わるから

早めに終わりにしたい!

生徒C
生徒C

クラスでほとんどの人がやるから!

保護者
保護者

2度チャンスがあるから

やってみたら?

中学の先生
中学の先生

やるのは自由だよ!

中学の先生
中学の先生

どっちも受けられるし

いいんじゃない!

こういった会話がほとんどだと思います。

学校の先生自体、おそらくですが、『今の成績では特色は受けても難しいよ。』と、言えない立場なのだと思いますが、

『やるのは自由だから!』『2度チャンスがあるから!』と無責任に言うのはどうかなぁって思います。

中には、いますよ!

ハッキリと言ってくれる先生も!

この部分を掘り下げていくと、また長くなってしまうので、特色についての過去ブログをご覧ください。

話を進めますね!

特色選抜入試について

特色選抜入試は2月の7日前後で、内定者発表がその1週間後。

一般選抜入試が3月7日前後なので、一ヶ月早く入試が行われます。

特色選抜の入試内容は、基本的には作文または小論文と、面接です。

宇都宮東高等学校のように、学校独自の作成問題の場合もあります。

特色選抜の選抜方法

  • 内申書(通知表3年間の9教科5段階)
  • 作文または小論文
  • 面接

基本的には、上記内容で総合的に判断されます。

学校によっては、まず通知表の点数(合計135点満点)で順位付けして、上位何%が選ばれ、その中で作文または小論文、面接が優良な方が内定していきます。

ここについても詳しくは、過去ブログをご覧ください。

ブログ内の検索の部分に

『特色選抜』と打ち込んでください。

一般選抜入試について

一般選抜入試は、前述しましたが3月7日前後に実施されます。

合格内定者発表はその1週間後にあります。

学校によっても異なりますが、中学3年生の卒業式はその発表の前日、または前々日になっています。

卒業をしてから

高校がどこになるかが決まるということになります。

一般選抜の選抜方法

  • 内申書
  • 試験当日の点数
  • 面接(専門系高校に多い)

一般選抜は上記内容で総合的に判断されます。

総合的に判断するといっても、学校によって判定基準が異なります。

例えば、

  • 宇都宮高等学校は、当日の点数と内申書の比率が9:1
  • 宇都宮南高等学校は、8:2
  • 宇都宮工業高等学校は、7:3
  • 宇都宮白楊高等学校は、6:4

上位校では特にですが

そもそも、試験当日に点数が取れないと

判断されません。

と、おおまかですが、今の栃木県の県立高等学校入学選抜の現状です。

詳しくは、ブログ内を検索してみてください。

そして、この現行の入学選抜について問題点等を検証してもらえたようです。

現行の栃木県県立高校入学者選抜の検証

特に、特色選抜についてのようですが

  • 特色選抜の資格要件について
  • 特色選抜の選抜方法について
  • 特色選抜の日程について

上記3つを検証してもらえたようです。

もう少し掘り下げますね!

特色選抜の資格要件について

生徒A
生徒A

資格要件?なにそれ?

保護者
保護者

資格要件って、わかりづらくない?

生徒B
生徒B

自分にあってるのかなぁ・・・

生徒C
生徒C

部活!部活!

部活を頑張れば!

と、そもそも特色選抜の『資格要件』を知らない方もいるようです。

『わかりにくい』『適しているかわからない』と、多くの意見もあったようです。

例えば宇都宮清陵高等学校

本校への志望理由が明確で、基本的生活習慣を身に付けており、本校での学習に対応できる学力を有し、次の要件のいずれかに該当する者
(1) 国語、社会、数学、理科、外国語の5教科の学習成績が優れており、大学への進学を目指し、意欲的に学習に取り組める者
(2) 中学時代に、スポーツ活動や文化活動に継続して熱心に取り組んだ者、または生徒会役員として中心となり活躍した者で、入学後もそれらの活動や本校の部活動に懸命に取り組める者
(3) 「数学」・「理科」の学習成績が特に優れており、入学後もその能力を伸長させ、学習や研究活動などに積極的に取り組める者

栃木県教育員会HPより
  • 『基本的生活習慣を身につけており』
  • 『本校での学習に対応できる学力を有し』
  • 『5教科の学習成績が優れており』
  • 『熱心に取り組んだ者』
  • 『中心となり活躍した者』等々

確かに、抽象的で、自分に適しているのかわかりづらいところがあるのかなぁって感じます。

誰でも出願できそうで、

資格要件に満たしていない子でも出願できてしまいますよね。

これは、全ての高校が同じで、宇都宮商業高等学校

人物に優れ、基本的な生活習慣と本校での学習に対応できる基礎学力が身に付いており、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する者
(1) 本校の商業科または情報処理科に対する興味・関心、適性を有し、学科を志望する動機、理由が明白で適切である者
(2) 部活動、ボランティア活動などの特別活動や資格取得において優れた実績を有する者

栃木県教育員会HPより
  • 『人物に優れ』
  • 『基本的な生活習慣』
  • 『本校での学習に対応できる』
  • 『適切である者』
  • 『優れた実績を有する者』

有しているか、適切であるかの判断は

それぞれに任せるという・・・

なかなか難しい判断だと思います。

でも、自己推薦ってこんなところですよね。

大学入試の総合型選抜(自己推薦)は、適している云々よりも、そこで何がやりたいかですもんね!

ただ、中学生にとっては明確な判断材料があるとやはりいいのかなぁって思います。

特色選抜の選抜方法について

保護者A
保護者A

面接・作文・小論文による選抜は

子供にとって負担では?

高校
高校

受験者の学力不足が見られ、

学力検査の結果を客観的な資料としたい

保護者B
保護者B

入学後の学習についていけるか心配

保護者C
保護者C

冬休み頃から、作文や面接の練習が始まって

3学期の学習に集中できないのでは?

保護者<br>
保護者

大学入試の総合型選抜でも学力検査があるのだから

学力検査は入れるべきでは?

等々、様々な意見があったようです。

確かに、内申書の点数で順位付けはしていますが、内申書は各学校によって基準が異なりますし、人の感情も入ると思います。

人数の少ない中学校と、人数の多い中学校では、その年のレベルにもよりますが、学校内で相対的に評価していると思うので、評定平均が同じでも、出身校が異なれば全く異なるレベルの生徒になります。

こうなると、内申書、作文または小論文、

面接だけではなく、学力検査も入れると

公平・公正な結果になりますよね。

特色選抜の日程について

保護者A
保護者A

2月に内定が決まり、学習意欲が低くなり

高校入学後の学習が不安だわぁ

保護者B
保護者B

特色選抜が不合格だった場合、

一般選抜の準備期間が短い

中学校
中学校

不合格者の精神的なフォローが難しい

高校
高校

入学選抜の期間が複数回設定されると

高校教育活動への影響が・・・

と、こちらも様々な意見があったようです。

入試の日程については、福島県、茨城県では、学力検査と特色選抜を同日に行っているという例もあります。

と、いうか近県で特色選抜入試を行っているところは

福島県と茨城県しかない!?

ここも考えなければならないところだと思います。

学校の二学期制についても同じで、栃木県はもう少し重い腰を、パッと・・・

栃木県県立高校入学者選抜の方向性

さぁ、今までの内容を踏まえて、県がどう方向性を決めていったか!

見ていきましょう!

県の方向性としては4つ!

  • 全ての受験者に対する学力検査の実施
  • 特色選抜と一般選抜の日程の改善
  • 特色選抜における多様な選抜方法の導入
  • 追検査・再募集の実施

詳しく見ていきますね!

全ての受験者に対する学力検査の実施

学習した成果を適切に評価する入学者選抜では、調査書における各教科の評定を活用することに加え、特色選抜の受検者も含め全ての受検者に対して学力検査を実施することで、中学校までの学習内容の定着を、より客観的に評価する選抜制度とすることが適当である。

栃木県教育員会HPより

来ましたね!

全受験者に学力検査!

え”~~~!!

受験生にとっては『え”~~~!』ですよね。

でも、これが普通ですよね。

中学生活を部活にかけるというのも青春でいいと思います。

しかし、それでいい成績を残しても、学力がなければ、高校生活が苦しいだけです。

部活だけではなく、勉強もしないと高校に行けない。としてもらった方が今後のためだと思います。

特色選抜と一般選抜の日程の改善

全ての受検者に対する学力検査を実施するために、特色選抜と一般選抜は連続する2日間以上の同一日程で実施をすることが適当である。これにより、長期間かつ過密な日程が改善されるとともに、特色選抜不合格者が再び出願をして一般選抜を受検するという心理的な負担が解消される。

栃木県教育員会HPより

特色選抜、一般選抜を同一日程で!

思い切りましたね!

ただ、これにより、確かに心理的な負担は解消されますね!

出願の方法としては、全ての受検者が一般選抜に出願する際に、その高校の示す資格要件に合致する受検者は、本人の希望により特色選抜併せて出願できるような制度を検討する。

栃木県教育委員会HPより

これにより、わざわざ特色選抜を選択しないかもしれませんね。

また、合格者を決定するに当たっては、例えば、第1次選抜として特色選抜を志願する者を一定の割合で合格させた後に、第2次選抜として特色選抜合格者を除いた全ての受検者を対象に一般選抜により選抜するなど、特色選抜と一般選抜それぞれの趣旨を踏まえた方法を検討する。

栃木県教育委員会HPより

ここは、微妙な表現ですが・・・

学力検査をさせておいて、第1次選抜が特色選抜を志願する者・・・

それって、結局、今までと同じでは?

学力検査をさせる意味は?

まぁ、まだまだ方向性なので修正されていくと思いますが・・・雲行きが怪しいです。

特色選抜における多様な選抜方法の導入

今後の特色選抜においては、高校の魅力化・特色化推進のため必要とされる資格要件に絞り込むなどの工夫をすることによって、より理解しやすいものにすることが求められる。

栃木県教育委員会HPより

ここは、高校側が難しくなりましたね。

これまで実施してきた作文や面接といった方法に限らず、各学校の実態に応じた独自の検査を設定し、学力検査では測ることの難しい側面を評価していくことが望ましい。多様な選抜の方法としては、例えば、プレゼンテーションを通して発信力や表現力を評価したり、実技検査を通して専門的な技術・技能などを評価したりすることなどが考えられる。

栃木県教育委員会HPより

ここも難しいですね。

どうしていくのでしょうか。

追検査・再募集の実施

本県ではインフルエンザ罹患者等に対する別室での受検を認めている。しかし、今後は、受検機会の十分な確保の観点から、受検者が体調を崩したまま受検に臨むことがないよう、別室での受検に加え、別な期日で行う追検査の実施も検討することが必要である。

栃木県教育委員会HPより

これは妥当ですよね!

全国47都道府県を見ても、追検査を行っていないのは、山形、栃木、兵庫、島根、宮崎だそうです。

  • 独自日程で実施しているところが33県
  • 2次募集で実施しているところが東京、和歌山、高知、熊本、鹿児島
  • 追検査で実施が広島、長崎
  • 調査書等の書類選考が山口、愛媛

募集定員に欠員がある高校における再募集は、進路未決定者や、様々な理由により受検できなかった中学生にとって進路選択の選択肢の一つとなることから、その実施に向けて、再募集の対象校やその方法などを具体的に検討していく必要がある。

栃木県教育委員会HPより

ここですが、再募集・・・

『進路未決定者』というのは、どういう扱いなのでしょうか。私立高校にも合格できていない方なのか。それとも、県立高校に合格できていない方もなのか・・・

現状、定員に満たない高校は中心部にありません。

それを考えると、通うことが困難と考えると・・・

全国的には、

  • 全ての学校で実施しているが28県
  • 一部の学校で実施しているが13県
  • 実施していないが、山形、栃木、徳島、高知、長崎、大分

追検査・再募集の日程は、先述の【提言2】を踏まえた入学者選抜全体の日程を調整する中で、適切な時期に設定することが望ましい。なお、私立高校への影響もあることから、3月中旬頃までに、追検査・再募集を含めた全ての全日制課程入学者選抜の日程を終了するように配慮する。

栃木県教育委員会HPより

制度改善に向けて望まれること

県教育委員会においては、本委員会の報告を受けて、入学者選抜制度の改善について検討を進め、適切な時期に新たな入学者選抜制度を決定し実施することを期待する。その際、入学者選抜制度の変更については、受検者への周知期間を十分に取る必要があり、制度の変更を公表してから一定の年数を経過した後に実施することが望ましい。

栃木県教育委員会HPより

『制度の変更を公表してから一定の年数を経過した後に実施』とあるので、

まだまだだいぶ先の実施になるもよう・・・

もしかすると、なくなるかもしれませんし、どうなるか追っていこうと思います。

栃木県県立高校特色選抜入試が変わる?!まとめ

今回は、これから大きな変化がありそうな内容をお伝えしました。

ここ2、3年に変わるというわけではありませんが、5年後、10年後には栃木県の入試がガラリと変わるかもしれません。

変更されるのであれば

現小学校高学年よりは、

小学校中・低学年は危ないかもです。

とはいえ、どうなるかわかりません。

何か変更の動きがあり次第アップしていきたいと思います。

今回の高校入試の改善策が、これからの入試にいい影響がでれば、とても良いですね!

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