では、次は特色選抜のメリット・デメリットです。
今回は、2014年からスタートした特色選抜入試を見てきた個人的な見解です。
あくまでご参考までにして下さい。
なんか今回は入りが固くない?
特色選抜って受けた方がいいのかわからない
今回もこの中のお話をします!
- 特色選抜の募集定員は? ← 前々回はここのお話!
- 特色選抜の倍率は?(一般選抜は?) ← 前々回はここのお話!
- 特色選抜の選考方法は? ← 前回はここのお話!
- 特色選抜の過去の出題内容は?
- 特色選抜は小論文?それとも作文?
- 特色選抜の出願の際に何をする? ← 前回はここのお話!
- 特色選抜の練習にかかる時間は? ←今回はここのお話!
- 特色選抜を受けるメリットとデメリットは? ←今回はここのお話!
- 学校での特色選抜の練習はどのくらい?
前回のブログはこちら→→→『栃木県県立高校入試 特色選抜の出願、選考方法』
前々回のブログはこちら→→→『栃木県特色選抜と一般選抜の倍率比較』
特色選抜入試の本当の意味
なぜ、学校推薦型から自己推薦型(特色選抜)に変わったか?
これは、学校推薦では学校の先生が子供たちの将来を決めてしまう形式だったからです。
学校推薦型・・・
中学校内で、先生方が集まり、生徒の成績を考慮して話し合い、頑張れる生徒を決める。そして、学校長のサイン入りで、高校側に送られます。
この校内での決定で、ほぼ高校の合格が決定します。
作文、面接など入試はありますが、本当になにかない限り合格します。
だからこそ、高校の偏差値にある程度見合う生徒が選ばれます。 それはそうですよね。中学校側からしても成績が合わない生徒を、高校に「この子良い生徒だからお願いします。」って言えないですよね。
しかし、逆を言うと、ほぼ成績だけで決定されてしまいます。
『今の世の中、学校の成績がすべてではありません』
教育委員会がそこまで言ったかはわかりませんが、もっと子供たち自身が、自分の将来のために様々なことを調べ、そのためにはどの高校に行かなければならないか検討して欲しいという教育委員会の考えのようです。
だからこそ、
- 2月で受験が終わるから
- 5教科の勉強をしなくてもいいから
- みんなが特色選抜をやるから
みたいな安易な考えは、違う気がします。
特色選抜はあくまで自己推薦です。自分に、周りよりも秀でたモノがあるから、自分で自分を推薦する!
ここが大切だと思います。
だから、特色受験を決める前に
ここで思うのが、もっと子供たちに『調べる機会』『調べる期間』そして『情報提供』をするべきだと思うんです。
特色選抜をする?しない?を本格的に決めるのが11月~12月。
それまでに少しは中学校でガイダンスがあるかもしれませんが、将来を決めさせる選択です。もっと時間を費やすことも必要なのではと感じます。
特色選抜やってみない?
と、「コンビニ行かない?」のようなノリでおっしゃる先生もいるみたいですが・・・
そんな言い方をしたら、それは情報を取得せずに、
やってみようかなぁ・・・
って素直なお子様なら考えると思うんです。
特色選抜を受験しようというお子様に伺うと、
- 特色選抜の募集定員は?
- 特色選抜の倍率は?(一般選抜は?)
- 特色選抜の選考方法は?
- 特色選抜の過去の出題内容は?
- 特色選抜は小論文?それとも作文?
- 特色選抜の出願の際に何をする?
- 特色選抜の練習にかかる時間は?
- 特色選抜を受けるメリットとデメリットは?
- 学校での特色選抜の練習はどのくらい?
これらを知らないお子様がほぼ100%です。
これだけのネット社会です。情報は簡単に取得できます。もっともっと将来のために情報を取得し、後悔のない選択をして欲しいと思います。
特色選抜のメリット
まずは、特色選抜のメリットをお話します。
私自身、特色選抜を全面的に否定しているわけではありません。
教育委員会の考え方には賛同します。自分の将来をしっかりと考え選択することはとても大切です。
ただ、特色選抜は受験した方がよい方と、受験しない方がよい方がいます。基本的には受験しない方がよい方用に情報を配信しています。これは、安易に考えて欲しくないからです。
だから余計に否定しているように聞こえますよね・・・
ではメリットの前に、受験した方がよい方と受験しない方がよい方をご紹介。
受験した方がよい方
- 志望校の偏差値にレベルが達している方
- 周りよりも秀でたモノを持っている方
- 志望校の資格要件に適している方
- 将来、やりたいことが明確な方
- 志望校に入りたい理由が明確な方
- あえて、試練を与えたい方・何事にも挑戦したい方
まずは、1番のレベルに達していることが何よりも大切です。
次に2番の秀でたモノがあること。この2番が3番に繋がり、資格要件に適しているかです。
将来的なことを考えると、4・5番が大切です。
そして、6番は特殊です。自分のスキルアップのために挑戦する。
個人的には6番みたいな方、私はとても好きです!!
受験しない方がよい方
上記、受験した方がよい方の逆とプラスアルファです。
- 志望校の偏差値にレベルが達していない方
- 周りよりも秀でたモノを持っていない方
- 志望校の資格要件に適していない方
- 将来、やりたいことが明確ではない方
- 志望校に入りたい理由が明確ではない方
- 試練や挑戦をしたくない方
- 「二度チャンスがあるから」
- 「5教科の勉強をしなくてよいから」
- 「友達が受けるから」
- 「早く受験が終わるから」
特に、やはり1番のレベルに達していない方です。
特色選抜は、確実に受かるわけではありません。見込みがありそうな方でも合格できないかもしれません。
もし、合格できなかったら、3月の頭の一般選抜に間に合わないかもしれません。
もっと詳しくは『特色選抜のデメリット』でお話をします。
特色選抜のメリット
では、特色選抜のメリットです。
- 周りの人よりも先に将来をイメージ
- 周りの人よりも先に自己分析
- 将来何度もある試験(エントリーシート、面接など)の経験
- 合格後、約2か月間高校の先取り学習可能
- 挑戦することでスキルアップ
と、いうことで挑戦することは、絶対にこれからのためになります。
そして、デメリットです。
特色選抜のデメリット
- 確かなものがない
- 5教科の勉強時間が減る
- 合格できなかった時、志望校変更
確かなものがない
栃木県県立高校一般選抜はほぼ当日の点数です。
- 上位校は9:1
- 中位校は8:2~6:4
- 下位校は5:5
※上記は【当日の点数】:【内申書】の比率
各高校の合格基準点を超えれば合格。超えられなければ不合格。(倍率により変動あり)
しかし、特色選抜は、内申書と面接、小論文または作文で決まります。
特色選抜にも選考方法はありますが(特色選抜の選考方法はこちら)内申書、面接、小論文または作文には正解がありません。
5教科の勉強時間が減る
志望校のレベルに達していない方は、ここからが本当に大切です。
特色選抜までの勉強時間
これが一番の懸念するところです。
基本的には、1月の頭の私立受験までは皆さん5教科の勉強に時間を費やすと思います。そして、私立受験後から特色選抜の練習を始めます。
- 小論文または作文の練習
- 面接の準備、練習
作文、小論文は国語のテストの最後についている作文の分量ではありません。
小論文であれ、作文であれ、文字数、制限時間は
- 少なくても400文字、多くて800文字
- 制限時間は短くて30分、長くて60分
しっかりと『型にはめる』ことをやらないと、文字数が足りなかったり、多かったり。文の流れが悪かったり。時間内に終わらなかったり・・・
特色選抜で絶対に合格したいのであれば、練習時間が必要です。
上手くハマれば、様々な題材を書いて、書き慣れていけばよいですが、文を作るのが苦手な方は、なかなか形になりません。
そして、作文と小論文の題材でも違いは出ます。
- 作文(中・下位校)・・・過去頑張ってきたこと。又は、これから頑張りたいこと。
- 小論文(上位校)・・・時事ネタ、環境、福祉などなど(どんな題材かはわかりません)
作文であれば、直ぐに書き慣れると思いますが、小論文は厳しい!
これを1月私立受験明けから2月頭まで練習します。それだけ5教科の勉強時間が減ります。そして、周りのライバルたちは、その間必死で5教科の勉強をします。
約1か月は大きいので、偏差値は変わるでしょう。
だれもがこの時期は必死です。
今は、一般選抜の倍率が全体的に下がっています。倍率1を切ったとしても全員が入れるわけではありませんが、特色選抜の倍率を考えると、3月まで5教科の勉強をした方が、合格の確率も高いですし、入学後も、高校の授業についていける力が付きます。
特色選抜後の勉強時間
特色選抜後合格できなかった方は、とにかく必死で頑張らなければなりません。
ここでは、合格できなかった方ではなく、合格された方についてお話します。(特に高校のレベルに達していない方は要注意です)
誰もが合格されると勉強をやめます。
2月の中旬に特色選抜の合格が出てから、高校入学までの約2か月間はゆっくり過ごされることでしょう。今まで受験勉強で遊べなかった分、ゲーム、YouTube、外出などなど有意義に過ごすと思います。
でも、それで大丈夫?
一般受験の方は、3月頭まで5教科の勉強をして基礎から応用まで力をどんどん付けます。ましてや、志の高い子は、合格後も高校は大変だからと塾などで高校の準備をしていきます。
春休みも塾に通い続け、早い子で夏までの予習を終わりにします。
これで、どれだけの差が付くでしょうか。合格された方ほど、注意が必要なのかもしれません。
合格できなかった時に、志望校変更
そして、もし合格が出来なかった時、志望校のレベルに達していない方は、志望校変更を検討しなければなりません。
志望校のレベルに達していない方は、この覚悟をして特色選抜の受験をして下さい。
1月の私立明けから、2月頭の約1か月はとても大きいです。周りが必死なので、普段の1か月とは違います。
志望校変更の最終判断は2月の下旬24日、25日です。
『誰でもだけど、誰でもではない』
と、いうことで、特色選抜を否定しているみたいな感じで書きましたが、あくまでこれは、志望校の偏差値レベルに達していない方、または特色選抜を受験しない方がよい方に向けてです。
合格することは大切ですが、それ以上に高校に入った時についていけなければ意味がありません。
部活もやりたくて入った高校なのに、成績が悪くて、補修や課題で部活ができないのでは、何のために入学したのかわかりません。
高校3年間をイメージして検討していただけたらと思います。
まとめ
今回は、特色選抜をスタートした2014年からずっと見てきた私個人の見解です。最後は、ご家族の中でどう決められるかだと思います。
ただ、最後にもう一度お伝えしたいのが
『二度チャンスがあるから』というお考えは、もう一度検討された方がよいかもしれません。
特色選抜を受験する際は、
- どうしても特色選抜で自分の力を試したい!
- スキルアップのために頑張りたい!
- どこまで、自分のやってきたことが通用するのか試したい!
と思っていただけたらいいなぁって感じます。
補足:特色選抜のための参考書
小論文と作文は異なります。
まずは、その違いをしっかりと把握してください。
そのために良い参考書はこちらにまとめてあります。⇒⇒⇒『オススメ入試問題集』
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