早期に、入試に挑戦することはとても大切です。
ただ、入試を受ける前に入試の現実を知って欲しいと思います。
注:このブログは中学受験を諦めて欲しいというわけではなく、この現実に、お子様自身が勝とうとする『強い意志』を持って欲しいというところで書きました。『強い意志』を持つからには、それだけの勉強時間を費やしてほしいと思います。
学校のテストでは毎回満点を取っているから
中学受験頑張ってもらいたいわ!
うちもほとんど満点だけど、流石に中学受験は・・・
国立、県立中学校の中学受験はとても狭き門となります。
小学校のテストが毎回満点でも
中学受験は難しいかも?!
小学校のテストでは、中学受験をクリアできるか、できないかは測れません。
私立中学校であれば、可能性は出てくると思いますが・・・
と、いうところでそこのところをお話します。
栃木県国立附属中学校の中学受験の募集
栃木県の国立中学校は、『宇都宮大学共同教育学部附属中学校』のみとなります。
募集定員は144名。しかし、附属小学校から上がってくる方がいるので、内訳は
- 附属小学校から約105名
- 公募(中学受験)から約39名
宇都宮大学共同教育学部附属中学校の中学受験は本当に狭き門です。
ここ最近の栃木県内の小学校6年生は、約17,000人なので、その中で約39名ということは・・・
0.2%!!!
17,000人が全員中学受験するわけではありませんが、たった0.2%の子が入学できる中学校です。
1,000人に2人です。500人に1人です。
と、いうことなので、合格するためには試験当日のテストは4教科ほぼ満点でないと合格できないレベルです。
この仕事をしてきて、もう何年も経ちますが、国立、県立中学受験は本当に難しいです。
あくまで、試験問題が難しいのではなく、「ケアレスミスをしてはいけない」「ほぼ満点でないといけない」というところ。
合格していった子たちは、そういったちょっとしたミスも普段からあまりしない子たちでした。
選ばれし者っていうのは、そういう人材なんだと思います。
これは、国立附属中に行くためには、小学受験も検討した方が良いかもしれません。
栃木県国立附属小学校の小学受験の募集
では、小学受験を見ていきましょう!
『宇都宮大学共同教育学部附属小学校』の募集定員は105名。
と、いうことは、小学受験をした方がいいかも!
って思いますよね!しかし、内訳は
- 附属幼稚園から約62名
- 公募(小学受験)から約43名
そうなんです。『宇都宮大学』の附属は、小・中だけではないんです。 『宇都宮大学共同教育学部附属幼稚園』があります。
え”っ!!
栃木県国立附属幼稚園の募集
では幼稚園の募集はどうなっているのでしょうか。
『3年保育』と『2年保育』で募集があります。
- 『3年保育』3歳児32名
- 『2年保育』4歳児32名
もし、検討できるのであれば、この時期という手もあります。
しかし、この幼稚園のお受験ですが、選考方法によると
選考方法
(1)入園前の心身の発達状況に基づいて適当と認めた志願者を、入園候補者とします。
(2)入園候補者の中から、男女別公開抽選によって合格者を決定します。
宇都宮大学共同教育学部附属幼稚園HPより
と、いうことで、3歳児、4歳児なのでテストはありませんが、(2)の公開抽選があることに注意が必要なようです。
栃木県国立附属中学校のその後
『宇都宮大学』には附属の高校はありません。
『宇都宮大学共同教育学部附属中学校』に通っている子は、高校受験を普通に行います。
中・高を一貫として通いたい方は、宇都宮大学附属ではいけません。
そして高校受験先ですが、県外(都内有名高校)受験、県内のトップ県立高校受験がメインになると思います。
そうです!県立内では基本的に『宇都宮高等学校』『宇都宮女子高等学校』です。
栃木県県立附属中学校の中学受験の募集
栃木県の県立中学校は
- 宇都宮東高等学校附属中学校
- 佐野高等学校附属中学校
- 矢板東高等学校附属中学校
となります。
そして募集定員はというと
- 宇都宮東高等学校附属中学校 105名
- 佐野高等学校附属中学校 105名
- 矢板東高等学校附属中学校 70名
となります。
栃木県の県立附属中学校の中学受験も狭き門です。
ここ最近の栃木県内の小学校6年生は、約17,000人なので、その中で合計280名ということは・・・
1.6%!!!
17,000人が全員中学受験するわけではありませんが、たった1.6%の子が入学できる中学校です。
1,000人に16人。125人に2人。
と、いうことなので、こちらも試験当日の適性検査はほぼ満点でないと合格しないレベルです。また作文も小学生が書くような文章では合格できません。
私の経験上、合格していった子たちの作文は、語彙力はまだまだと思いますが、それでも中学生以上が書くような作文だったように感じます。
なので、中学受験の子が練習で書いた作文を、特色選抜(推薦)を受ける中学生に、参考に読んでもらうこともあります。
そして、県立中学受験の適性検査は、知識があるのは当たり前ですが、それにプラスして努力とセンスが必要です。このセンスは努力ではなかなかクリアできないところ。センスを努力で補うのであれば、人一倍勉強時間を取らないといけません。
栃木県県立附属中学校のその後
県立中学校は基本的に高校との一貫校です。なので
- 宇都宮東高等学校附属中学校 → 宇都宮東高等学校
- 佐野高等学校附属中学校 → 佐野高等学校
- 矢板東高等学校附属中学校 → 矢板東高等学校
となります。一貫校なので基本的には全員が高校に進学します。
しかし、たった280名(※3校合計)が高校に進学をするわけではありません。
高校入試からの入学者
- 宇都宮東高等学校
- 佐野高等学校
- 矢板東高等学校
上記3校は、高校入試からの入学者がいます。
高校によって人数は異なりますが、特色選抜入試、一般選抜入試から
- 宇都宮東高等学校(募集定員55名) 特色選抜55名(募集定員の100%) 一般選抜0名
- 佐野高等学校(募集定員55名) 特色選抜16名(募集定員の30%) 一般選抜39名
- 矢板東高等学校(募集定員90名) 特色選抜27名(募集定員の30%) 一般選抜63名
そして、附属中学校の人数と合わせて各高校160名となります。
県立中高一貫3校の倍率
今回第一回進路希望調査(2022年度)の倍率は、(詳しくは『2022年度第1回進路希望調査について』)
- 宇都宮東高等学校 0.93(前年1.25)
- 佐野高等学校 0.96(前年0.58)
- 矢板東高等学校 0.53(前年0.61)
以前は、もっと倍率が高かったのですが、やはりわざわざ、募集定員の少ない高校を受けようとする方はいないという感じです。
なので、逆に言うと高校受験の方が入りやすそうですね。
県立附属中学校の倍率などはこちら→→→『令和4年度栃木県県立中学校入試ついて』
栃木県国立中学校、県立中学校の中学受験の現実のまとめ
栃木県国立、県立中学受験には
- 4教科受験
- 適性検査+作文+面接
があります。
4教科受験は、基本的に国・理・社は標準レベルですが、算数は発展レベルです。学校では習わないモノも出てきます。(ちなみに、小学校のテストは超基礎レベルです。)
適性検査も、小学校の授業レベルでは対応できません。そして、適性検査はセンスも必要です。
そして、現実的にお伝えすると、募集定員が少なく、受けようとする方が多いので、国立中学校・県立中学校ともに、当日のテストをほぼ満点でないと受からないレベルです。
これが国立・県立中学受験の現実です。
この現実を乗り越えるために、『強い意志』を持って挑んで欲しいと思います。
『強い意志』を持つからには、全ての時間を勉強に費やしてください。
中途半端では難しいと思います。
何度もお伝えしますが、今回は、本当に辛口コメントになりましたが、 中学受験を諦めて欲しいというわけではなく、この現実に、お子様自身が勝とうとする『強い意志』を持って欲しいというところで書きました。
そして、これはお子様だけではなく、ご家族のご協力が絶対条件です。必ず、ご家族でしっかりとお話し合いをしていただき、ご家庭の中でも受験モードになって欲しいと思います。
- お子様の誘惑物排除
- お子様の習い事の整理(受験勉強時間の確保)
- お子様の体調管理 (軽い運動も)
そして、お子様がご自宅で勉強中は、TVなどは消していただき、ご家族で勉強時間にする。等々、みんなで頑張ろう!という形にして頂けると良いかなぁって感じます。
よくこんな言葉があります。
受験は団体(家族)戦
一緒に頑張れたらなぁって思います!
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