年が明け、2022年度第2回進路希望調査がアップされていますが、現在そちらのデータを編集し、分析をしているので、先にこちらをアップします。
今回はあまり高校選択として話に出てこない高校をご紹介!
今回は県立の中高一貫校の高校みたいよ!
そういえば、あまり情報がないかも!!
なぜ話に出てこないかの理由等も後述します。
栃木県中高一貫校(中学)については→→→『令和4年度栃木県県立中学校入試ついて』
栃木県県立中高一貫校(高校)とは
- 宇都宮東高等学校(偏差値60)
- 佐野高等学校(偏差値51)
- 矢板東高等学校(偏差値53)
栃木県で定められている県立の中高一貫校です。
各高校定員は160名となっています。その内訳は
- 宇都宮東高等学校附属中学校から105名 + 高校入試から55名
- 佐野高等学校附属中学校から105名 + 高校入試から55名
- 矢板東高等学校附属中学校から70名 + 高校入試から90名
そして、栃木県の高校入試は、特色選抜入試と一般選抜入試があります。
その内訳は
- 宇都宮東高等学校 特色選抜入試55名(公募55名の100%) 一般選抜入試0名
- 佐野高等学校 特色選抜入試16名(公募55名の30%) 一般選抜入試39名
- 矢板東高等学校 特色選抜入試27名(公募90名の30%) 一般選抜入試63名
となっています。
あれっ?!なんで、宇都宮東高等学校は
特色選抜入試だけなの?!
そう思いますよね。
宇都宮東高等学校だけが特別・・・?!
違うんです。そもそも3校とも同じ設定で、2校の設定が変わったんです。
そこをお話します。
宇都宮東高等学校は特色選抜入試のみ?!
3校ともに同じ設定だった
元々は県立中高一貫校3校とも、特色選抜入試の定員の割合は令和2年度(2020年度)まで
普通科募集定員から内部進学による入学内定者を除いた定員の全部
※中高一貫教育に係る併設型高等学校の特色選抜における特例を適用する。
栃木県教育委員会HPより
という記載があり、選抜方法も
面接:集団面接15分(宇都宮東、矢板東)、個人面接10分(佐野)
学校独自検査:学校作成問題(国・数・英)
栃木県教育委員会HPより
となっていました。
『定員の全部』というのは、
- 宇都宮東高等学校 55名
- 佐野高等学校 55名
- 矢板東高等学校 90名
この人数を特色選抜で取るはずでした。
矢板東に続き、2020年度に佐野も
しかし・・・倍率を見てみると(下の表の赤字のところに注目)
2019年度 第1回 | 第2回 | 特色 | 最終 | 2020年度 第1回 | 第2回 | 特色 | 最終 | 2021年度 第1回 | 第2回 | 特色 | 最終 | 2022年度 第1回 | |
宇都宮東 | 0.96 | 1.20 | 1.25 | – | 1.18 | 1.49 | 1.62 | – | 1.25 | 1.24 | 1.16 | – | 0.93 |
佐野 | 0.95 | 1.05 | 1.13 | – | 0.82 | 0.85 | 0.93 | 0.14 | 0.58 | 0.55 | 1.81 | 0.59 | 0.96 |
矢板東 | 0.77 | 0.58 | 0.76 | 0.52 | 0.58 | 0.70 | 0.77 | 0.6 | 0.61 | 0.61 | 1.52 | 0.81 | 0.53 |
数値だけでは見にくいので、グラフにすると・・・
上図の2020年度を見ていただくと、佐野高等学校と矢板東高等学校は第1回、第2回進路希望調査で倍率『1』を切ってしまっています。(倍率『1』を切るということは、「募集定員」>「希望者数」ということで、人気がないということ。)
募集定員が少ない分、そもそも受けようとする方がいません。しかも、子どもの人数が減っている。ただ、それだけの理由ではないように感じます。
実際2020年度は、
佐野高等学校は特色選抜55名定員の中50名合格で、一般選抜入試は7名の募集になっています。
たった7名!?
その募集定員7名に希望した方が・・・1名!!
1名!?
その1名は合格していましたね!
凄くないですか!受験者1名ですよ!
受験当日はどうなっていたんでしょうか?!
なので、2020年度の最終倍率が0.14になり、あり得ない倍率になっていました。(1名÷7名≒0.14)
まぁ、そういうことがあり、県も考えたのでしょう。
こどもの人数は減っているし
日々刻々とニーズも変わっていきますもんね!
2021年度に設定の変更
2021年度の募集では、佐野高等学校と矢板東高等学校の特色選抜入試の募集定員の割合が
普通科募集定員の内部進学による入学内定者を除いた定員の30%程度
栃木県教育委員会HPより
『定員の全部』→→→『定員の30%』に変更されています。
そして、選抜方法も変更され
面接:個人面接10分
作文:600字程度(佐野)、500~600字(矢板東)
栃木県教育委員会HPより
これにより2校の募集の内訳が
- 佐野高等学校55名募集 特色選抜16名(定員の30%) 一般選抜39名(定員の70%)
- 矢板東高等学校90名募集 特色選抜27名(定員の30%) 一般選抜63名(定員の70%)
よって、2021年の特色選抜の倍率が爆上げになったわけです。(下の表の赤字のところに注目)
2019年度 第1回 | 第2回 | 特色 | 最終 | 2020年度 第1回 | 第2回 | 特色 | 最終 | 2021年度 第1回 | 第2回 | 特色 | 最終 | 2022年度 第1回 | |
宇都宮東 | 0.96 | 1.20 | 1.25 | – | 1.18 | 1.49 | 1.62 | – | 1.25 | 1.24 | 1.16 | – | 0.93 |
佐野 | 0.95 | 1.05 | 1.13 | – | 0.82 | 0.85 | 0.93 | 0.14 | 0.58 | 0.55 | 1.81 | 0.59 | 0.96 |
矢板東 | 0.77 | 0.58 | 0.76 | 0.52 | 0.58 | 0.70 | 0.77 | 0.6 | 0.61 | 0.61 | 1.52 | 0.81 | 0.53 |
それはそうですよね。
- 佐野高等学校の特色選抜募集定員は55名→16名
- 矢板東高等学校の特色選抜募集定員は90名→27名
これだけ募集定員が減れば特色選抜の倍率は上がります。
一般選抜は『1』を切っています。
その後の倍率(倍率低下の要因①)
2021年度が明け、今年の2022年度はどうなったかというと・・・上図のように第1回進路希望調査は3校すべてが倍率『1』を切ってしまいました。
- 募集定員が少ないから?
- 一貫校だから、途中からは・・・
これらの理由であれば、新設当初から倍率は低かったはず。
- 子どもの人数が減っているから?
県はこのことを強く言っていますが、正直これも、子どもの人数が減っていてもニーズがあれば、倍率は下がらないはずで、むしろチャンスと思う方が増えるはず。
・・・ん?・・・ニーズがない・・・
そうです。私のあくまで仮説ですが、ニーズがない=通いたいと思わない → 通う利点が見つからない → そもそも一貫校3校の情報がない?=知らない?
どうでしょう?
- 募集定員が少ない
- 中高一貫校
- 特色選抜しか取らない
というのが情報として強く、それ以上、踏み込む方が少なくなっているのではと思います。
一貫校設定当初は、『新設』ということで皆さんが興味を持ち、情報を集めたと思います。しかし、数年経つとやはり忘れられていくのかなぁって感じます。
もう、一貫校は一貫校!
途中入学はなし!!
って、割り切ってしまってはと思うのですが・・・
宇都宮東高等学校の倍率低下の要因②
2022年度は、もう一つ大きな要因が考えられるのではと思います。
それは、『宇都宮中央女子高等学校』の共学化!
『宇都宮東高等学校』『宇都宮中央女子高等学校』はそこまで偏差値の差がありません。
- 「特色のみ」「募集定員が少ない」共学の宇都宮東高等学校
- 「特色も一般もあり」「募集定員が多い」共学の宇都宮中央高等学校
どちらを選ぶかというと・・・
栃木県県立中高一貫校(高校)のまとめ
ということで、ここ数年でだいぶ変化しています。
今年の第1回、第2回の進路希望調査を見ても・・・第1回目で既に3校ともに倍率『1』を切ってしまっています。第2回で、宇都宮東高等学校のみなんとか『1』以下を逃れましたが・・・
このコロナ禍で、日々様々なモノが急激に変わっている今、いろいろなモノを変化に対応していかないといけません。
倍率の低下は、コロナと関係はないと思いますが・・・
中学受験の募集定員を最大限まで広げ、そのまま完全一貫校にしてしまうのも良いように感じます。
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