だいぶ時間が経ちましたが、一般選抜の問題の考察の続きです。
先に結論から申しますと、
2023年度は理科の問題の出題傾向が変わりました。
社会については、変更はありません。
理科は出題傾向が変わっただけで
問題のレベルとしては変わっていないかなぁって思います。
全国的に、リード文の長さが気になるところです。
それに合わせ、今回理科が変わったのかなぁって思います。
では、実際に変化を見ていきましょう!
2023年度栃木県一般選抜の問題
まずは、理科からいきますね!
来年受験される方、再来年受験をされる方は、必見ですよ!
2023年度一般選抜の理科
ページ数や問題の量でいうと、例年・・・
- 1ページ目に大問1
- 2ページ目に大問2、3
- 3、4ページ目に大問4、5、6
- 5ページ目に大問7
- 6ページ目に大問8
- 7ページ目に大問9
と、全7ページに大問が9こ入っていました。
大問で言うと、2、3は文章量が少なく、次に4、5、6、そして、7、8、9と多くなっていましたが・・・
今年は各問題の文章量が多くなり、全9ページと、2ページも増えていました。
理科はずっと問題に変化がなかったのですが
これは大きな変化だと思います。
大問1
- 裸子植物(中1)
- 気体(中1)
- 力(中1)
- 小笠原気団(中2)
- 初期微動(中1)
- 反射(中2)
- 電流(中2)
- 塩(中3)
小問集合8題【各2点】
数学同様、理科の小問集合は各2点で8題あるので、16点分!
選択肢の読み間違えがなければ
問題なく16点もらえる問題でした。
ここは超基礎となるので、必ず点数を取っておきたい!
大問2
- 音(中1)【2点、3点×2、4点】
大問2から1ページを使った問題になっています。
前半部分であればいつも通りなのですが、会話文が後半にあったので少しビックリされたかなぁって思います。
ただ、あくまで文章量が増えただけです。正直、全体的な問題レベルとしては、基礎レベルでした。
最後の記述問題も
簡単だったので、合計12点は取りたいところです。
大問3
- 霧の発生(中2)【2点、4点、3点】
大問3も1ページを使っています。
この大問3については、文章をしっかりと読んで、そして『露点』の内容をしっかりと理解していないと解けない問題でした。
(2)をどう表現するかで、差が付くかなぁって感じます。
『露点』や『湿度』の問題は
普通、2年生の終わりに習い
テストをせず、3年生になる学校もあるので
注意が必要な単元です。
大問4
- 消化(中2)【2点、3点×2、4点】
大問4はだいぶはみ出しましたね!
ページ数としては、1枚半の幅を取っています。
そして、最初のリード文だけで約1ページを取っています。
こんなに文章量が多いのは
今まで理科においてはありませんでした。
(1)、(2)についてはなんてことのない基礎問題です。
(3)、(4)は文章をしっかりと読んでいれば、解ける問題です。
一問一答などの知識だけでは、なかなか対応が難しくなっています。
大問5
- 電気分解(中2)【3点×3】
逆に大問5は、だいぶ文章量が少なく、いつもの入試問題のようです。
内容としても普通の塩化銅の電気分解で、レベルとしても優しいレベルでした。
ここは、化学反応式が書ければ
9点分確保ですね!
大問6
- エネルギー(中3)【2点、3点、4点】
問題文が長かったですが、問題レベルとしてはイージーでした。
ここも9点は取りたい問題です。
ここはあまり言うことが・・・
大問7
- 溶解度(中1)【2点、3点×2、4点】
(1)~(3)はなんでもない溶解度の問題です。
(4)問題文が長いので、難しいと思い、途中で諦めた方が多くいるように感じます。
しかし、文章を読み、溶解度を理解していれば、同じ水溶液でした。
文章を長くし、混乱させ
遠回りをさせていますが
それだけの問題です。
大問8
- 遺伝(中3)【3点×3】
大問8は、大問5同様に、文章量が少なく、レベルも基礎レベルです。
ここもあまり言うことが・・・
大問9
- 月・金星(中3)【2点、3点×3、4点】
大問9はボリュームがありましたね!
普通、月は月のみ、金星は金星のみで問題を作成しますが、今回は合わせてありました。
(1)、(2)はイージー問題です。
(3)、(4)はリード文の表をうまく使えたかですね!
特に、(3)は公転周期を確認し、どこまで金星が移動したか。
ここがわかれば、知識云々よりも、思考力があれば、なんでもない問題です。
いやぁ、でも問題文が長くなりましたねぇ!
理科まとめ
理科はずっと出題傾向の変更がなく、ここ数年、
出題傾向が変わるかもしれないから、
試験が始またら直ぐに、全体的に問題を見てね!
と子供たちに伝えてきました。
そして、今年度(2023年度)大々的に文章量が多くなり、『思考力・判断力』を試させる問題になりました。
ただ、まだここから変更があるように感じます。
これは、全国的に見るともっと文章量が多く、選択肢も文章化しているからです。
これからの受験生は、注意が必要な気がします。
2023年度一般選抜の社会
社会は、2020年度(令和2年度)から問題の出題傾向が変わっています。
2019年度までは、下記のようになっていました。
- 一問一答(4択×4問、記述×4問)
- 世界地理
- 日本地理
- 歴史前半
- 歴史後半
- 公民
- 公民
大問1に一問一答があったので、ここで2点×8問=16点分が確保できました。
しかし、2020年度から一問一答がなくなり、大問1から長い文章題となっています。
- 日本地理
- 世界地理
- 歴史前半
- 歴史後半
- 公民
- 公民
大問1
【2点×7 4点】
日本地理は、各都道府県をピックアップして出題される場合もありますし、今回のように日本中から出題される場合もあります。
- 気候
- 工業
- 農業
幅広く、出題されます。
地理については、重要語句も大切ですが
それ以上にグラフ、図、表をうまく分析できるかが
もっと大切になります。
多くの問題を解いて、判断力を付けていきましょう!
大問2
【2点×6 4点】
世界地理も、各国をピックアップして出題される場合もありますし、全世界から出題される場合もあります。
今回は南アメリカ、アフリカを中心に出題されていました。
日本地理と同じく
- 気候
- 工業
- 農業
に注意して学びましょう。
特に、有名な工業生産物、有名な農業作物は頭に入れておきましょう!
なかなか馴染みのないところなので
知らない人は、全く分からなかったかもしれません。
大問3
【2点×7 4点】
歴史前半については、何か歴史的に使用してきたモノや、人物、出来事などがいくつかピックアップされて、そこから問題が出題されます。
ピックアップされたものは、学校であまり習わないモノや人物などがあるかもしれません。
しかし、そのもの自体を問われることは少なく、それらの説明文中にある言葉を使って問題が作られています。
ピックアップされたモノは
あくまで問題の導入です。
知らなくても気にすることはありません!
それよりは歴史に関しては、『重要語句』『歴史的な流れ』『出来事の原因と結果』などをしっかりと把握しておきましょう!
大問4
【2点×6 4点】
歴史後半についても『重要語句』『歴史的流れ』『原因と結果』が大切になります。
歴史後半は内容が濃いので、特に江戸時代が終わってからは一つ一つ注意して学ぶことをオススメします。
ほぼ、中学3年生で習うことがメインだと思います。
これから中学3年生なる方は、これからの歴史が大切です。
今回は、だいぶ会話文も入っていました。
文章を早く読み、理解することが要求されます。
大問5
【2点×6 4点】
公民は、満遍なく出題されます。
どこか重点的に出題されることは少ないと思います。
また、ここでも表や図、グラフなどを分析して答えなければならない部分があります。
一問一答だけに集中していると
こういった問題は解けません。
大問6
【2点×6 4点】
大問6も公民ですが、グラフ、文章が多くあります。
選択肢も4択だけではなく、6択もありました。
選択肢が多くなるのは、全国的な流れでもあります。
選択肢を多くして、迷わせ
思考力、判断力を測っているのだと思います。
社会まとめ
社会は、大問6題となり、配点はわかりやすくなっています。
2点問題が6題から7題あり、そして必ず長い記述が1題(4点)。
長い記述問題の配点は高いですが、たった全部で6題。合計24点分。
社会が苦手な方は、長い記述問題を飛ばしたとしも、76点獲得できる計算になります。
一教科70点後半が取れれば、上位校も狙えます
2023年度栃木県県立高等学校一般選抜問題の考察2まとめ
今回は、理科と社会について考察しました。
入試問題は、毎年変わっていきます。
前回『2023年度栃木県県立高等学校一般選抜問題の考察1』でもお伝えしましたが、全国的に高校入試の問題が変わってきています。
ただただ教科書にあることをインプットし、そのままアウトプットすればよいわけではなくなってきています。
大学入試同様に『思考力』『判断力』『表現力』が問われています。
あくまで予測ですが
選択肢の文章量がもっともっと増えるのではと思います。
そうすると、これから高校受験がされていく方は、『速読』『思考力』『判断力』を養っておくと良いと思います。
これらは、高校入試だけではなく、社会にでも必要な力なので、養っておいてください。
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