2021年1月からセンター試験に変わり、共通テストとなりました。
共通テストはセンター試験と同じく、マーク形式の試験です。
一時期、記述の導入、英検やTOEICなどの導入が検討されましたが
それはなくなり、マーク形式は変わりません。
ただ、マーク形式でも今までとは異なり、ただただ高校で学んだ内容を覚えれば、公式を使えばというモノではありません。
思考力、判断力をとても問われる問題となっています。
2022年度共通テストの総括
2022年度の共通テストは、高校では大きな話題となっています。
それが・・・
平均点の大幅ダウン!
30科目中でいうと、19科目の平均点が下がっていました。
特に3科目(国、数、英)の得点率は52.1%と、この3科目で得点することは難しかったことが分かります。
2022年度共通テストの平均点
文系
5教科8科目で900満点としたときの平均は
- 2021年度 562.9点
- 2022年度 517.6点↘
標準偏差は
- 2021年度 124.1点
- 2022年度 116.7点↘
標準偏差とは・・・
平均点の付近にどのように人がいたかを知ることができる数値です。
2022年度は平均点517.6点で標準偏差が116.7点なので、517.6点の±116.7点のところにほとんどの方(68.3%≒約7割)が集まっていたことが分かります。
※標準偏差の値は小さいほど、平均の付近に人数が集まり、みんなが同じような点数だったことが分かります。逆に標準偏差の値が大きいほど、人数がばらつき、できるできない、得意不得意の明暗が付いたことになります。
2021年度は562.9点の±124.1点にほとんどの方がいました。
要するに、2022年度は2021年度と比べて、平均点が下がり、その平均点の付近にみんな集まっていたことが分かります。
ちなみに、標準偏差を2倍した値だと95.4%の方がいたことになります。
2022年度だと517.6点の±233.4点です。
理系
5教科7科目で900満点としたときの平均は
- 2021年度 582.1点
- 2022年度 523.8点↘
標準偏差は
- 2021年度 125.1点
- 2022年度 122.5点↘
理系・文系
理系、文系合わせると
- 2021年度 574.7点
- 2022年度 521.4点↘
標準偏差は
- 2021年度 124.8点
- 2022年度 120.4点↘
理系の方が平均点が高いということを見ると、やはり数学が影響しているのかなぁって感じます。
もう少し詳しく見てみましょう!
国語
200点満点中の平均点と標準偏差です。
- 2021年度 119.5点
- 2022年度 112.5点↘
標準偏差は
- 2021年度 34.3点
- 2022年度 31.7点↘
国語に関しては、全体平均と同じように
平均が下がり、また標準偏差も下がっています。
数学
数学は各100点満点です。
- 2021年度 数Ⅰ:41.3点 数Ⅱ:41.5点 数ⅠA:59.0点 数ⅡB:61.1点
- 2022年度 数Ⅰ:24.3点↓ 数Ⅱ:35.8点↘ 数ⅠA:39.7点↓ 数ⅡB:44.2点↘
標準偏差は
- 2021年度 数Ⅰ:17.2点 数Ⅱ:18.8点 数ⅠA:19.3点 数ⅡB:23.3点
- 2022年度 数Ⅰ:13.5点↘ 数Ⅱ:16.1点↘ 数ⅠA:17.2点↘ 数ⅡB:17.4点↘
数学も平均点が下がり、標準偏差も下がっています。
数ⅡBの標準偏差の下がりはとてつもないので、ほとんどの方が、平均点の44.2前後に集まったことになります。
それにしても、数学の平均点の下がり方は凄いですね・・・
英語
英語はリーディング(文法や長文)が100点満点、リスニングも100点満点。
- 2021年度 リーディング:60.4点 リスニング:57.5点
- 2022年度 リーディング:63.4点↗ リスニング:60.8点↗
標準偏差は
- 2021年度 リーディング:21.1点 リスニング:16.2点
- 2022年度 リーディング:19.9点↘ リスニング:17.8点↗
英語に関しては、国語、数学などとは異なり
平均点が上がっています。
リーディングは平均点が上がり、標準偏差が下がっているので、より63.4点付近に集まったことがわかります。
また、リスニングについては、平均点が上がり、標準偏差も上がっているので、少しばらつきが見られます。
共通テスト
共通テストとは、『思考力、判断力、表現力』を測るモノになります。
センター試験のように、学校の内容を詰め込めば取れるテストではなくなっています。
共通テストの平均点は
50%が基準に作られています!
センター試験の平均点は60%でした。
平均点や測っているモノが異なるので、センター試験と共通テストを比べてはいけません。
2023年度の共通テストは難しかった・・・
なんか今年は、難しかったみたいよ・・・
と、よく言われていますが、本来の共通テストの定義を見ると、2022年度の共通テストが簡単だったことがわかりますし、2023年度の共通テストも平均50%を超えているので、簡単だったということも言えると思います。
まとめ
共通テストは平均50%です。
もう、学校の内容を詰め込めば、取れる試験ではなくなっています。
『思考力』が問われることによって、教科書の内容では太刀打ちできません。
だからと言って、教科書の内容をおろそかにして
基礎基本がボロボロでは、もっと手が出ません。
教科書の内容をしっかりと学び、基礎基本を身につけ、思考力を養っていただきたいと思います。
そして、『判断力』としては、この情報社会においては絶対的に必要な能力です。情報過多になっている中、分析し、判断しなければなりません。共通テストも試験中膨大な情報が入っています。
特に、英語の長文はセンターの比にならないくらい増え、他教科も文章量は増えています。
『読み』『分析』『判断する』というところをスピーディーに行えるよう訓練して欲しいと思います。
2023年の今年から、高校も新学習指導要領に変わっています。
社会は『歴史総合』『地理総合』『公共』という科目が、数学も『数C』、国語と英語も少し変更され、そして数理という教科で『探究』というモノも出てきています。
また、現高1が大学受験の際には、共通テストの内容も大きく変わると思います。
その都度、情報をアップしていこうと思いますので、ぜひご覧ください!
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